駐車場

都内の駐車場は固定費がかさむのが現状

家の敷地内に大切な愛車を置く車庫があるかどうか――特に自動車の利用頻度が高い人にとってはかなり大きな問題だといえます。注文住宅の場合は立派なガレージ付きの家を設計・デザインすることが可能ですが、駐車スペースを確保できるかが重要となります。仮に十分なスペースがない場合は、駐車場なしの住宅にして外部で駐車場を借りるのも1つの手だといえるでしょう。

ただ、駐車スペースも土地なだけに、住宅の敷地と同じように少なくない固定費が発生します。その価格は地価が反映されるため、エリアによって金額もまちまちです。なので、車を所有している方の場合は、注文住宅の駐車場をつけるかどうかを確定する前に、まずは周辺の駐車場代の相場を知っておくことが先決だとえいます。実際に地域ごとにどのくらいの価格の違いがあるのでしょうか。

地価の高い都内では当然、駐車場代も高くなります。月極駐車場の価格は、コインパーキングの料金を見ればおおよそ判断できるものです。1時間の料金がやけに高いエリアは、月極に関しても同様に高いことが想定されます。たとえば10分600円、1時間で3600円とコインパーキングの値段が異様に高い銀座では、月に5~6万円くらいの駐車場もざらに存在するのです。

比較で見えた地域ごとの駐車場代の違い

銀座の例にあるように駐車場代は都心部で特に高く、渋谷や新宿などであれば最低でも3万円。高いところになると6~7万円するケースもあります。都心エリアではそもそも月極駐車場よりもコインパーキングが多いので、駐車場が少ないという事情も影響しているようです。都心でも駐車場代が安いところもありますが、料金に比例して不便な場所にあるケースが多くなります。月極を借りる際は何かしら妥協するポイントが必要になるでしょう。

23区内で比較してみると、駐車場代が高いのは中央区、港区、千代田区、渋谷区辺りで、平均して5万円前後です。江東区や江戸川区、墨田区、荒川区、葛飾区などの下町と呼ばれるエリアは比較的駐車場代が安く、2万円を切るところも多く存在します。また、住宅地として人気のある杉並区や世田谷区、目黒区などはエリアの付加価値が高いこともあり、駐車場代も高めに設定されているようです。

都心を離れるほどに駐車場代も安くなっていきますが、それでも、駅に近い場所では3万円近くするケースもあるようです。23区を離れるとようやく1〜2万円の駐車場も増えてきます。たとえば、三鷹市では1.5~2万円程度の駐車場も多くあります。多摩市になると月極駐車場の料金は1.2万円程度のところもあるそうです。郊外に行けばいくほど、駅から遠くになればなるほど駐車場代も安くなる傾向にあります。

駐車場付きの注文住宅を建てる

上述したように、駐車場代は地域によって大きく異なります。特に土地代が高い都心部なのエリアであれば、駐車場を外部で借りてしまうと月々の固定費がかなりかさみ、経済的な負担が大きくなります。そのため、駐車場代が高くつくエリアに家を建てる場合こそ、駐車場付きの注文住宅にするのも選択肢の一つとして挙げられます。また、比較的駐車場代が安いエリアでも、家の近くに最適な駐車場がないケースも十分考えられるので、敷地内に駐車しておくほうが何かあった時に安心といえるでしょう。

注文住宅で駐車場を作る場合には、コンクリート舗装費など外構・造園工事の費用が別途かかってきます。しかし、高額な駐車場代を払い続けるランニングコストよりも、イニシャルコストをかけて駐車場を作ってしまったほうが、長い目でみれば安上がりになります。ちなみに駐車場の面積は、普通車2台分で9〜10坪程度。このスペースをうまくとって最低限の造成にすれば、イニシャルコストを最低限に抑えられます。