
エネルギー消費・光熱費が少ないスマートな家
どの家庭においても生活を営むうえで電力は欠くことのできないエネルギーです。テレビを見たり、掃除機をかけたり、冷蔵庫で食品を冷やしたりするなど、現代人の暮らしにとって電力があることは当たり前といえます。
ただ、電力を生むためのエネルギーは有限であり、当然ながら際限なく利用できるわけではありません。
また、使用した分の電気代がかかるだけに、常に必要最低限の使用に努める必要があります。
そうした“節電”や“省エネ”が重要視される時代だからこそ、注文住宅建築においても「スマートハウス」に注目が集まってきています。
スマートハウスとはエネルギー消費や光熱費を抑えることができ、賢く省エネを実現する住宅のことを意味します。
従来にも省エネエコハウスというエネルギー効率を考えた住宅は存在しましたが、設備や機器類が連動していないケースがほとんどでした。一方のスマートハウスは、発電設備や冷暖房・給湯機器を活用し、管理できるシステムになっているため、自動的にムダが省くことができます。
そんな“賢くて経済的にスリムな住宅”であるスマートハウスは、発電設備と蓄電池、エネルギー管理システムの存在が欠かせません。
そんな中、近年注目を集めているのが、HEMS(ヘムス)と呼ばれる家庭用エネルギー管理システムです。
HEMSとはHome Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)の略であり、一般家庭におけるエネルギー消費や節電の管理をサポートします。まさに“スマートハウスの司令塔”ともいえるシステムなのです。

機器の稼働状況エネルギー使用量を“見える化”
HEMS導入の際はまず、コンピューターのルーターのようなホームサーバーを設置します。そして、住宅内の電気機器や設備機器をネットワークで接続することで、それぞれの機器の稼働状況やエネルギー使用量を“見える化”することができます。家庭の電力状況を見える化することによって、どの機器をどれくらい使用しているかが明確になるため、過去の傾向を把握することで省エネの意識を強められる点がメリットです。
たとえば、コンセントや照明ごとの消費電力や、太陽光発電機の発電量に関しても測り知ることができます。また、機器類の監視や遠隔操作できるため、太陽電池や蓄電池、IHヒーター、エアコンなどの家電を効率よく自動制御も可能。しかもこれらのデータ確認や制御はPCやスマートフォンと連動して確認・情報処理が行えるため、リアルタイムに状況を知れるのです。
一昔前までは電力消費を抑えることで家庭でも省エネを心がけることはできましたが、現在ではエネルギーを創り出す“創エネ”、蓄電池などでエネルギーを蓄える“蓄エネ”も可能で、さらにそれらの状況を随時管理できる体制が整っています。一般家庭がエネルギーを享受するだけだった時代は終わりを告げ、自ら生み出して管理するのが当たり前の時代になりつつあるのです。

スマートハウス以上に“創エネルギー”性を高めたZEH
スマートハウスの認知度や導入率は年々向上していますが、近年ではさらにその一歩先を行く、“ZEH”が注目を集めています。
ZEHはZero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略であり、1年間の消費エネルギーより住宅で生み出したエネルギーの方が多い、または差が“ゼロ”である住宅を意味します。
つまり、従来の省エネエコハウスやスマートハウスに比べて創エネルギー性が高く、エネルギーの自給自足が行える住宅なのです。
近年では日常生活においてムダにエネルギー使用を抑えて節約に努めることは世界基準となってきています。省エネ・創エネ・蓄エネをすべて実現でき、時代の潮流にマッチした家こそがZEHなのです。
日本政府もZEHに将来性を感じており、「2020年までにネット・ゼロ・エネルギー・ハウスを標準的な住宅にする」という目標も掲げています。
近い将来、ZEHが日本の住宅のスタンダードになることも、もはや夢ではないのです。これから注文住宅の建設をご検討されている方は、スマートハウスやZEHなどのエネルギー効率にこだわった家にすることおすすめします。
