
羽田空港を擁し23区最大面積の大田区
東京23区の最南端に位置し、特別区最大の面積を誇る大田区。区を象徴するのはなんといっても“空の玄関口”である羽田空港でしょう。羽田空港は大田区全体の面積の3分の1を担っており、まさにシンボルといえます。
成田空港が都心からほど遠く移動に時間がかかることもあり、2014年にハブ化が推進されてより国際色が強くなった羽田空港。東京モノレールや京急本線といった空港まで直通する交通手段はもちろんのこと、近隣の地域も外国人観光客や宿泊客の増加などでにわかに“国際化の賑わい”を見せてきています。
2020年には東京五輪が行われることもあり、大田区は世界からのたくさんのお客様をお出迎えする重要な役割を担っています。自治体も「国際都市おおた」を掲げ、国際交流拠点都市と多文化共生都市を目指していくことを表明。羽田空港を中心とした大田区の国際化の動きは、徐々に熱を帯びてきています。

ドラマでも取り扱われた下町のモノづくり文化
国際化が急速に進む大田区ですが、従来は近隣の川崎市へと続く一帯は多くの鉄鋼会社が軒並み連ねる工業地帯でした。全盛期に比べて工場の数は減ってきたものの、大田区の土地で培われたモノづくりにおける文化はまったく衰えておりません。
近年で大田区のモノづくり文化が最初に大きく題材とされたのが、「下町ボブスレー」です。大田区の町工場を舞台にボブスレーのソリ製作に挑戦した人々の実話をもとにしたドラマが放送されました。2014年はソチ冬季五輪が開催されたこともあり、一気に大田区のモノづくり文化は注目を浴びました。そして、さらにイメージを不動のものにしたのが「下町ロケット」でした。
井戸潤の小説をもとにドラマ化すると、たちまち大ヒット。小さな町工場でロケットエンジンのキーパーツなどの精密機械を製造しているなど、知らなかったという人々からも多くの喝采を浴びました。実際に町工場では、職人さんたちが人知れず大きな仕事をしていることは事実であり、大田区のモノづくり文化の地位向上に大きく貢献した作品といえるでしょう。

庶民層から富裕層まで移り変わる街並み
何かと話題性には事欠かない大田区ですが、居住地として見たときには地域によって違いがあるようです。京浜東北線が大田区をちょうど東西で分断しており、蒲田駅を中心に東が京急本線エリア、西が東急線エリアに大きく分けられます。
京急本線エリアは、上述したモノづくり文化が栄えた地域であり、どちらかというと庶民派層が定着したエリアだといえます。下町文化を継承するどこか昔懐かしい街並みが今もなお広がっています。平和島公園や東京湾野鳥公園などの湾岸沿いの大きな公園もあり、休日の休息にも最適なスポットが多いのも京急本線側です。
一方の東急側は、日本でも有数な高級住宅街である田園調布があります。実際に蒲田から田園調布に向かうにつれ、富裕層の率が上がり、住宅のグレードも軒並みアップします。穏やかな街並みから多摩川や田園調布などのハイグレードの住宅街まで、街並みが徐々に移り変わっていくのが東急線エリアの特徴です。
国際化や多様化といったキーワードがよく当てはまる大田区。“色んな表情を持つ”この地であれば注文住宅を建てる際の選択肢も多くの中から選ぶことができそうですね。
