世界の大地震の1/5が発生する“地震大国日本“
日本が世界でも有数の地震大国であることはみなさんもよくご存知かと思います。1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災など、数千人規模の被害者を出すような大きな災害が頻繁に起こっており、日本列島は常に大地震の脅威にさらされている状況です。
“地震大国日本”と称される所以としては、災害発生の割合をおいてほかなりません。世界全体に占める災害発生割合としては、マグニチュード6以上の地震回数のなんと20.5%が日本で発生しています(※)。世界における国土が0.25%にしか満たない小国にもかかわらず、世界の大地震の1/5が日本で発生しているという計算になるのです。
こんなにも地震が発生やすい理由としては、日本が複数のプレートが交錯する地形に位置していることが挙げられます。そもそも地震は地下で起きる岩盤の“ずれ”により発生する現象であり、日本周辺は太平洋プレート、フィリピン海プレート、北米プレート、ユーラシアプレートという4つの巨大な岩盤が交わっています。プレートの移動による歪みが発生することで大きな地震を引き起こすのです。
※参照元:地震情報サイトJIS http://j-jis.com/data/plate.shtml地震による街の危険性「地域危険度」とは?
上記の理由から日本で暮らすとしたら、常に地震の脅威と隣り合わせであることを意味します。地震発生に備え、いかに災害に向き合って対策するかということは、日本人にとって“宿命”ともいえます。したがって暮らしの大半を過ごす家選びはかなり慎重にならざるを得ません。地震発生の危険性は避けられないので、せめて被害が少ないであろうエリアであるかどうかを見極めることが大切です。
人口が集中し大地震が起きた際に大きな被害が予想される東京では、東京都震災対策条例に基づき、5年ごとに「地域危険度」の調査(※)を行っています。地域危険度とは、都内の町丁目ごとに「建物倒壊危険度」「火災危険度」「総合危険度」「災害時活動困難度」を測定したデータです。
地域危険度では地震発生時の倒壊、火災、避難のしやすさなどを総合的に判断して、すべての地域において危険性を算出しています。そのため、東京で注文住宅を建てたいとお考えの方は、まずご希望のエリアで地震が発生した場合、どの程度の危険性なのかを事前に調べておくことをおすすめします。
※参照元:東京都市整備局 地域危険度とは http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/kikendo.htm危険度が少ない23区西部と多摩地域
東京都の調査によると、荒川・隅田川沿いの大きな河川が近いエリアや、湾岸沿いに近いエリア、埋立地のエリアなどの危険度が高めであるという結果が出ています。そうしたエリアを選ぶ際には、地盤や地形の関係をきちんと事前に把握することが大切です。新しい家を建てる予定地からの避難場所や経路についてもあらかじめ確認しておきましょう。
また、都内においては23区西部と多摩地域が総合的に“危険度の低いエリア”だということをデータが示しています。高層ビルが立ち並ぶ都心部や大きな河川、東京湾から少し距離が離れている点も危険度が少ない要因として挙げられます。23区西部、多摩地域、そして所沢市など埼玉県の入間地域や志木市など新座地域を含むエリアは「武蔵野台地」という面積700km2の台地です。武蔵野台地は地盤が固く、比較的地震に強いとされています。
これまでの調査では地震の被害が少ないであろうと予測されるため、23区西部と多摩地域は注文住宅を建てるうえでおすすめのエリアです。ただし、地震という自然災害は震源地やその深さによって被害の度合いも変わるので、一概に“絶対に安全”とはいえませんのでその点はご注意ください。家を建てる際にはいつ訪れるかもわからない震災の日に備え、心構えと対策だけは万全にしておきましょう。