ふたりの地鎮祭

まずは建売住宅と注文住宅の違いについて学びましょう

一戸建ての住宅には大きく分けて2種類あることをご存じでしょうか？　一つは業者があらかじめ新築住宅を建築し、土地とセットにして販売する「建売住宅」であり、もう一つが更地に自分のこだわりの設計、デザイン、素材を自由に選択し、好きな住宅をオーダーできる「注文住宅」です。

両者の決定的な違いは、注文住宅が好みやライフスタイルに合わせて自由な家づくりができるのに対して、建売住宅はすでに決まっている寸法や間取りに応じたつくりになってしまうところにあります。コスト削減が期待できるなど費用面においては注文住宅より安く抑えることができますが、デザインや設計、素材における自由度では格段に劣ります。「自分が思い描く夢のマイホームを建てたい」とお考えの方は、建売住宅では理想通りの家を手に入れることはできないかもしれません。

建売住宅と注文住宅の違いを徹底比較

ただ、いくら注文住宅が自由度の高い家を建てられるからといって、すべての人にオススメであるというわけではありません。建売住宅を選ぶメリットもたくさんあるので、両者の違いをしっかり理解し、自分の希望にあった住宅を選択することが大切です。以下ではそれぞれの項目ごとの違いを徹底的に比較します。

注文住宅建売住宅
自由度が高い分、高くなる傾向にある。工事費とは別に設計料も必要施工費用販売価格の中に設計料も含まれており、注文住宅に比べて費用を安く抑えられる
要望に応じた自由な設計を行える間取りやデザインの自由度すべて業者に意向で決まっており、アレンジはできない
部材や材料を選択することもでき、どんなものを使用したかは設計図に明記されている部材・材料どんな部材や材料を使用しているか明記されていないケースが多い
現物があるわけではなく、図面からつくり上げていくため、イメージしにくい仕上がりのイメージ現物を確認できるため、購入前に家のつくりやレイアウトを把握しやすい
自分で所有しているか、または探して購入する必要がある土地土地とセットで販売しているので、事前に準備する必要がない
自身が納得したハウスメーカーや工務店を選ぶので、信頼関係を築きやすいハウスメーカー・工務店中間の下請け業者などの存在がわからず、どんな工務店が施工したかは不明である
建築士による適正なチェックがある。また、建築工事を確認できるため、施工主もある程度進捗を確認できる品質管理すでにできあがっているものを購入するため、厳正なチェックはできない。後から手抜きや欠陥が判明することもある
建てた後も手厚いサービスをしてくれるケースがほとんどアフターサービス建てたらそれで完了ではないが、あまり手厚くはない

理想やこだわりが強い場合は注文住宅がオススメ

両者の特徴を整理すると、建売住宅は規格化されて自由度がない反面、コストを抑えられる点が最大のメリットであることが再確認できます。家は数千万単位の大きな買い物となるだけに、費用を削減できるところはカットしたいというのが施工主の方にとっての本音でしょう。一方の注文住宅は、材料からデザインまで自由に選べる反面、費用はかさんでしまいます。

ただ、一生に何度も訪れるわけではない自宅購入の機会なだけに、多くの人ができるかぎりこだわりたいと考えるはずです。家に対して強い理想やこだわりをもっている方は、迷わず注文住宅を選ぶことをオススメします。一から自分の考えに基づいて家づくりを行うだけに、その後の何年・何十年と愛着を持って暮らしていくことができるのではないでしょうか。

自分の家に対してどれだけ“思い入れ”を持つことができるのか――建売住宅ではなく、注文住宅を選ぶ意義はその点に尽きるのです。