年齢・年収から見る注文住宅購入のタイミング

資金調達ができるかどうかが家購入のポイント

家を買うタイミングは家庭によってそれぞれですが、“目安の数字”に関しては事前に把握しておきたいものです。
実際に他の家庭がどんなタイミングでどんな家を購入するかは気になるところではないでしょうか。
注文住宅を購入する家庭がどのくらいの年齢層で、どのくらいの年収があるのかを知ることは人生でもっとも高価になるかもしれない買い物をするうえで有益な指標になるはずです。

国土交通省が発表した平成27年度住宅市場動向調査によると、注文住宅を購入した家庭の平均世帯年収は659万円。
分譲戸建て住宅を購入した家庭の平均世帯年収は679万円であり、実は注文住宅を選択した家庭の方が20万円少ない結果となっています。
注文住宅はこだわりを反映できる分、割高になる印象をお持ちの方が多いのですが、実はそうとは限りません。
施工会社に前もって予算を伝え、その範囲内に調整してもらうこともできるため、実は分譲住宅よりも費用を抑えられるケースもあるのです。

また、注文住宅を購入した時の世帯主の年齢は平均38.5歳。年齢層で見ても30歳代が47.2%とほぼ半数を占めています。分譲マンションや中古戸建住宅、マンションでは40、50代がある程度の割合を占めていますが、新築となると30代のうちに購入する傾向があるようです。

参照元:国土交通省 平成27年度 住宅市場動向調査http://www.mlit.go.jp/common/001135952.pdf

次に注目すべき点は家庭の現在の資金状況です。分譲戸建て住宅に比べある程度の予算のやりくりができるとはいえ、それでも数千万円単位の買い物になるため、あらかじめ資金計画をしっかりと立てておくことは、購入時期を決めるうえでも非常に重要なファクターとなります。

ここで押さえておくべきポイントは、年収に対してどの程度の額の借入ができるかということです。
それは「返済負担率」を計算することで確認できます。返済負担率とは年収に対する年間返済額の割合のことを指します。
たとえば、住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」では年収が400万円未満の場合、返済負担率は30%以下。400万円以上の場合は35%以下となります。前述した注文住宅購入時の平均世帯年収である659万円で計算してみると以下のようになります。

【フラット35での年間返済額の目安】

659万円×35%=230万6,500円

返済負担率に基づく金額が年間返済額の上限となるため、このケースでは230万6,500円の返済額を上回る金額を借り入れることは基本的にできません。そのため、返済負担率を基準に購入時にどれだけの自己資金が必要かを確認し、もし足りない場合は貯金できるまで待つ、あるいは両親からの資金援助を受けるなど何らかの調達方法を検討しましょう。資金調達が円滑に進んでいるかどうかが住宅購入のポイントとなります。

頭金の額で変わる住宅ローンの総返済額

家を建てる際に用意できる金額が多ければ多いほど、日々の住宅ローンの返済は楽になります。つまり、ご自宅購入時にご自身で賄える金額が多ければ、金融機関などから借りる額も必然的に少なくなるため、返済期間が短縮し、毎月の支払いの負担も軽減できるのです。同じ35年返済で金利が3%の場合、頭金の金額によって以下のような総返済額の違いがあります。

35年返済で金利は3%の場合の総返済額の違い
【頭金が多い場合】【頭金が少ない場合】
物件価格 3,500万円物件価格 3,500万円
頭金 500万円頭金 100万円
借入額3,000万円借入額3,400万円
⇒総返済額 約5,349万円⇒総返済額 約5,596万円

上記の条件では、支払う頭金の金額によって総返済額に約250万円の差が出てきます。確かに預貯金を切り崩して、頭金を払うのは生活をするうえで大変ですが、長いスパンで見るとかなりの金額差があります。

ただ、頭金が払えないからといって、注文住宅をあきらめることもないでしょう。もし、住宅購入前の家が賃貸だったとしたら、それは他人の所有物ですが、家は購入すればローンがあったとしても固有の財産となります。そのため、賃貸よりも毎月のローンの方が安いのであれば、日々の出費は抑えられるだけに思い切って住宅を購入してみるのも手だといえます。頭金が少ないことで家の購入を踏みとどまっているとしたら、一度家計簿を見直してみましょう。

頭金の額で変わる住宅ローンの総返済額

注文住宅を購入しようとしている方に追い風となっているのが、日本銀行が導入した「マイナス金利」です。2016年1月29日にマイナス金利導入が発表されると、大手メガバンクを筆頭に各金融機関が住宅ローンの引き下げを発表。メガバンク3行の固定10年の金利が初めて10%を割り込むという事態となりました。

住宅ローンの総返済額を増額させる金利が引き下げられたことによって、新規借り入れや借り換えを考えている人にとって千載一遇のチャンスが到来しています。「今、買わなければ損になる」と焦る人もいるかもしれませんが、住宅ローンを組む際は細心の注意を払うことが大切です。

たとえば、現在(2016年4月現在)は超低金利時代に突入しているとはいえ、変動金利の場合は数年後も同じように低いとはかぎりません。金利が上がった際のことも考えて契約をしましょう。現在が“注文住宅を購入するうえで有利な時代”であることは間違いありませんが、先行きを考えずに行動すると将来的な破綻をまねくこともあります。しっかりとした返済計画を立てることが、注文住宅を購入するうえでは必要不可欠なのです。

制震・免震

データを参考にしつつ最後は自分たちのタイミングで

上記のようなデータを参考にしたうえで、「住宅購入費は年収の5倍が目安」だという一説もあります。ただ、2016年時のような超低金利時代が続けばいいですが、金利や市況は刻一刻と移り変わっていくものだけに“確実にお得”と断言できるタイミングなどは存在しないのです。あくまでもデータは一つの指標として気に留めておく程度にしましょう。

また、注文住宅購入のタイミングは、たとえばお子さんが小学校へ入学するなど事前に時期がわかる場合は入念な準備もできますが、両親の介護が必要になりバリアフリー住宅の購入が急遽必要になるなど、事前に予測できない事態が起こることも珍しくありません。

そのため、一般的なデータや傾向を把握し、参考にすることはもちろん必要ですが、どんなケースにおいても最後的にはご自身とご家族のタイミングに合わせて決断するのがベストです。そして、その決断をするために、子どもの学校のことや親の介護のことなどを近い将来を想定して日々のやりくりをしましょう。資金面・環境面における準備をしっかりすることで、家族にとって最適で“機が熟したタイミング”を定めやすくなるはずです。